熱中症対策により今夏の甲子園で導入、朝夜2部制で生まれる「新たな格差」解決への究極プラン
日本高野連は先月19日、夏の甲子園大会から一部日程で、試合開始時間を午前と夕方に分ける「2部制」の導入を決めた。
対象日は1日の試合数が3試合の初日から3日目までで、熱中症対策の一環として大会史上初めて実施される。
主催の朝日新聞によれば、まず2部制をやることで、将来的な「午前2試合・午後2試合」の2部制導入に向けて課題を把握する狙いがあるという。
これまで甲子園では、午後の試合で「ベンチ格差」が起きていた。
晴天の午後3時で比べると、三塁側ベンチには西日が直撃する。一方で一塁側は日陰になる。ベンチ内の温度の違いから、選手の消耗度に格差が生じていた。2部制の日は、この時間に行わないため、不公平は解消される。
近年の夏は35度を超える危険な暑さの日が続く。今回はテストケースとして、まず第一歩を踏み出したことは評価できる。ただ、ナイターの試合が増加すると、自校のグラウンドに照明設備を備えている一部の私立強豪校と、それ以外の格差がますます広がる。飛球の見え方などに違いが出るからだ。特に風がある日の甲子園でのナイターは、ボールが見えにくいうえ、打球が流されるため、慣れている阪神の選手でさえ「フライは難しい」と漏らすほど。ほとんどが初体験の高校生の試合なら、落球が続出することになりかねない。